入院9日目

2010年9月14日 患者
昨日の検査後が心配と言えば心配でしたが、
何事もなく朝を迎えまして、一安心。
検査の一週間後に動脈瘤が~という症例もあるそうなんですが(検査後に)
とりあえず今回検査を担当してくれた医師は「扱ったことがない」症例で、
0.01%とか、そんな感じの確率だと思ってくれていいと思います、と。
やっぱり大きな病院なんだなってこういうところは思うよ。
どんなに低い確率であっても、可能性については必ず説明する。
それが先生たちにとってあまり知らせたくない内容でもね。
(リスクを伝えることで、患者さんに不安を与えるから)


本日は担当医との面談があり、術前の説明を受けることになってる。
時間は未定なんだけど、診察(本日外来診察日の担当医)の患者が引けた頃、
16時とかかな?という大まかな予定だけ聞いていて。
15時台に着いていれば問題なさそうだねーくらいの予定でいました。

地元を出発したのが、14時頃でした。
到着したのが、16時直前でしたorz
なんで? なんで平日のこんな時間が混んでるの?!って不思議で不思議で。
トラックや社用車が多かったならまだ納得も出来る。
(平日のこの時間は労働している方々がたくさんいる)
どう見ても自家用車だよなぁ…という車ばかり。
確かに来週は連休が多いけれど、まだ早くないか?
(有休を使って大型連休にするにしてもちょっと早いよね?)
ンガーッまにあわーんっっ と焦りつつ、母を同乗して。
通り道みたいなところに母姉2の家があるから、乗せてきたのよね。
今日はちょっと遅くなるので、母もゆっくり話せるだろう、と思ってね。
という親孝行娘のフリをしてみました。

 最近、帰宅時がつらいの。
体調が万全じゃないせいもあるんだろうとは思うんだけど、
とにかく眠い。眠くてだるい。
一人で薄暗い中を帰ってくるのは恐いのよね。
で、通院も予定もない母を誘ったら食いついてくれたので、連れてった(笑


早ければ、だんな兄たちもそろそろ着くんじゃないかなと思ってたんだけど、
ホテルにチェックインしてから来るって話だった。
ちょうどよかったよ。担当医との面談は16時を少し過ぎた頃から始まった。


まあ、「もやもや病確定」という診断をいただけました。
動脈硬化からこのような所見を見ることもあるそうで、
そちらも確認させてもらって、動脈硬化ではなかったよ、と。
まあ、いいんだか悪いんだかってことですね(もやもや病は特定疾患)
かと言って、動脈硬化がこの年齢でこんなに深刻になってたら
それはそれで問題なのよって話もしてました(笑

入院してからの諸々の検査結果から考察し、
やはり手術を選択するのがベストだろうということ、
今回は左側になります。
右側に関しては、今のところは症状が何も出ていないので経過観察、と。

手術名や手術内容なども聞けました。

 「頭皮と脳の血管を繋ぐんだろ?
  だったら、穴を開けた頭蓋骨は閉じれないんじゃない?
  だって、その穴閉じたら、血管が挟まるよね?」

 そうか。弱点晒して生きて行くのか。
 ピンポイントで攻撃する練習するわ エイッσ゚ロ゚)σツンツク

これが、説明を聞く前のバカツガイの会話です。救えません。
オイラはそんなこと思ってなかったよ(笑
理屈はわからないけれど、頭蓋骨に開けた穴をそのままにしておくなんて
ありえないと思ってた(笑

やっぱり、塞ぐそうです。
昔は糸などで止めたそうなのですが、それだと切れてしまったりするので、
今はボルトのようなもので止めるんだそうです。
その結果、「その部分を触ったらボルトがあるのがわかることもあります」だそう。
見た目にはまったくわかりませんけどねーってことでした。

今は髪の毛も剃らないし。
こめかみ部分からスルーッと開くようなんですが。
ちょっとびっくりしたよ、縫合もしないんだって。
「スプレーのりでつけます」って言ってたよ。(正式名もあったけど(笑)
糸で縫い合わせるとどうしても隙間はできる。
そこから感染症や何かの心配もあったんだけど、
今は糊付けしてしまうので、隙間がなくピッタリつけられる。
このスプレーのりの成分は、人間の血液成分からできていてるので
害になることもないんだそうですよ。
抜糸とかも必要ないしねーって言ってた。
(でもなぁ…同室のすでに退院した患者さんは、"抜糸が済んだ"とかなんとか
 話していたことがあったので、全員に利用するわけじゃないってこと?
 切開した傷には使えても、外傷の治療には使わないとか? その辺不明)

リスクなども説明されました。
だんなの場合で考えられる一番のリスクは、過かん流。
今まで少量流れていた血管の血流が増えることで、
「脳がびっくりすることがあります」って先生が言った(笑
まあ、それによってショック症状みたいになるかもねって。
この過かん流で起こりうる症状は、麻痺・失語等。
でもこれによって起きた症状であれば、1~2週間で収まってしまうそうです。
(脳がその血流・血量に慣れてきたら収まるんだって)
入院中にその把握もできるので、その点は心配してません、とのこと。
ただ、起きるかもしれないのでその覚悟はしておいてねってことで。
あとは、脳梗塞・脳出血。
脳梗塞に関して言えば、手術中にわかるんだそうで。
脳出血は、術後に出るような話をしてました。
でも担当医が25年ほど、この治療に携わり、
3~400人の患者の手術を扱って、術後の脳出血を引き起こした患者はたった1例。
なおかつ、「だんなさんの場合とは発症症例が違います」とのこと。
だんなは脳梗塞を発症し、そこから判明したもやもや病。
でもその1例の患者さんは、脳出血を発症し、判明した方だったんだそうで、
だんなの場合とはちと違うため、あまり心配はしてませんと言われました。
(脳出血を起こすと言うことは、血管が破れやすい・脆いということなので、
 血流が増えたらその可能性は高くなるということ。
 脳梗塞は血栓が詰まることで起こるため、もやもや病で血管が細くなったところに
 詰まるということだから、すぐに破れるということとはまた違うしってことだそう)

 「でもまあ、可能性はゼロではありませんので、説明させていただきます」


だんなの検査結果で気になるのは、こめかみのところを走る血管が、
「通常の成人男性よりも少し細い」ことなんだって。
もやもや病の不思議なところは、脳の一部分の血管が細くなる症状が出ることで、
それ以外の部分(こめかみ部分とかの頭皮血管とか)には、
この症状が出ないことなんだってさ。理由は不明。(だからこその難病か?(笑)
だからまあ、それが心配ではあるんだけど、とは話してた。
でも通常の人の半分しかないわけじゃないし、手術は顕微鏡を使い、
ベテラン医師が2名ついてやるから、安心してくださいって。
担当医は自信満々と言った感じで終始説明してくれました。

 正直、感心しました。
これだけ自信満々に説明できるってすごいなって。
もちろんホームグラウンドの病気で手術だからこそなんだろうけど(笑
リスクをすべて説明して、それでもなお、
 「僕は心配ないと思っています」
と言い切れるのってすごいなーって。
オイラはこの担当医、好きです。
なんかねぇ、アクティブなんだよね。
総回診でゾロゾロと部下を引き連れて大仰に回ってくることもあれば、
一人や二人でポツポツと廊下歩いてて声かけられることもある。
声かけられて初めて顔見て、「ああ、先生だ!」と思うこともあるんだよ。
つまり、「教授様」ってオーラを感じないの(爆
帰り間際なんだろうなっていう私服でチョロッと患者のところに連絡に着たりとか。
(なんかかわいかったよ、カーテンの隙間から顔出してさ(笑)
偉いぞオーラは感じないけれど、今日の説明を聞きつつ、顔を見つつ、
「この先生って、すごい先生なんだなー」ってしみじみしてしまった。

入院病棟の看護師から、「手術は朝一で入って、昼には終わりますよー」
などと言われていたので、よかったね、こちらから飛行機に乗る前に、
お兄さんたちは結果がわかるねって話してた。(手術日の午後2時頃の飛行機に乗る)
今日先生に聞いたら、「手術時間は5時間程度です」
( Д )    ° ° そ、そんなに長いのか…
病室を出るのは8時半前。実際に手術が始まるのは、9時半頃だろう、と。
それからの5時間になるので…飛行機に乗るまでには結果はわからんねorz

予定としては、頭皮の血管と脳の血管を直接繋ぐ手術のみ。
これで5時間かかる。(顕微鏡使ってやるんですよーって言ってた)
で、繋いだらその場できちんと血流が回復するかどうかわかるんだって。
その結果を確認してから穴を塞ぐ様子。
だからその結果が芳しくなければ、その部分に頭皮の筋肉をくっつける形の
間接的な術式も併せて行いますって言ってた。
これが必要になっても+1時間程度なので、そちらは大したことではないですよって。

だんなの場合は、そこまで驚くほど、脳内の血流が減っている症状ではないので、
直接繋ぐ方法だけで回復できるのではないか、とのこと。
あとは、成人男性の場合はあまり好ましくないんだって、この間接的な方法。
方法が悪いんじゃなくて(きちんと効果は見られるみたいよ)
「術後、"手術をしました!"とあからさまに分かる場合がある」から、
担当医的に、美容面から考えて、「イヤ」らしい。

その部分が、ペコッと凹んだようになったりするんだって。
凹んだからって痛いとかじゃないけど、見た目にはさってことらしい。
同じ理由で、切開部分も髪の毛で隠れる部分のみでやるらしい。
(それでも傷跡ハゲみたいには残る。坊主にしたらわかるんだろうね)
で、男性の場合は筋肉が厚い(女性に比べて)ため、
その加減もしなければならないし、いろいろとねーと。
まあ、概ね、「術後に頭の手術を受けたんだね!」ってわかる状況になるかも?
というのが担当医はイヤなんだという主張でした。
(子供の患者の場合は、直接・間接、両方やるのが普通で、
 成人の場合には、個々の患者で判断される。
 必要ならもちろんやりますけどねーとも言ってました)


 「この病院でこの手術の実績は国内屈指ですし、
  この術式は世界的に見ても一般的なものです」

 「私と若い医者が執刀医ですが、若い医者だからと言って
  経験のために練習のためにさせるわけではありません。
  この先生も相当数の経験があります。
  今現在なら、もしかしたら手術回数は私より上かもしれません。
  その点は安心してください。
  でも、この先生にまかせっきりと言うことはありません。
  もちろん、私もきちんと執刀します」


俺に任せておけば大丈夫なんだよ、誰に物を言ってんだ?
という高飛車は一切なかった。
でも、自信に満ち溢れてた。 本当に大丈夫かよ?って
疑う余地もないような(笑
不安なこととかないか?みたいなことも聞かれるんだけど、
これだけ自信満々に説明してくれる人に、何を不満に思えばいいのかわからなくて、
何を聞いていいのかわからなかった(爆
(不安があるといえばあるけど、具体的なことでもないんだよねぇ)
とにかく、詳しく丁寧にわかりやすく説明されました。


あとはー…ああ、そうだ。 んと、輸血の予定はないって。
頭切開して、輸血することないのね?それはちょっと意外でした。
(準備はするけれど、予定通りならしませんよーって)
それと、必ず聞かれる「お子さんはいらっしゃいましたか?」
あと、親はどのような病気をしたのかとか、
兄弟に同じ症状のある人はいないのか、とか。

多分、子供がいるなら検査したいんだと思う。
必ず遺伝するわけではないけれど、可能性はゼロじゃないしね。
そういう理由で、親が病名を宣告されていなかったとしても、
もしかしたら同じ病気だったのかもしれないしねって。
(だんなの母親は62歳で脳梗塞で亡くなったけど、
 "その年齢なら、この病気とは限らないかな"と重要視されませんでした)
兄弟の場合の発症率は、15%ほどあるそうで。
(親から同じ遺伝子もらってるから?)
まあ、今日、二人とも来るから聞いてみればいいよね(笑
でも先生の話だと、「女の子だったら確率は上がる」と言っていたので、
性別によっても違うみたいでした。だんなに姉妹はいないのでよかったねー。


その後、予定より大幅に遅れてお兄さんたちが到着して、
おみやげもらってしまった。
かわいい弟が心配で心配で仕方ないって感じでいらした長男さん。
次男さんは昨年末にも会っていて、その時にもひどい症状ではなかったことを
面会で確認しているし、今回は悪化ではなく計画入院のため、
そこまで酷くなっているという不安はなかったのか、落ち着いてらっしゃった。

あれ、なんだろうね。
メールでなら散々心配したりとか提案したりとかしてるだんななのに、
本人たち目の前にしたら、割とおとなしくしてるんだよね。
照れくさいのかな? 顔見に来てくれて、ウルウルしてたのかな?(笑

優しいニイチャンタチだなぁと少々羨ましくなりました。

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